来月から福島でも上映予定の映画を、待ちきれず仙台まで観に行ってきました。
タイトルは
「やっぱり契約破棄していいですか?」
原題:DEAD IN A WEEK OR YOUR MONEY BACK
イギリス映画です。
簡単に言ってしまえば、死にたがり屋vs殺し屋のお話。
10回も自殺を試みるも死ねずにいる売れない小説家ウィリアムと、クビ寸前の年老いた殺し屋レスリーが、雑〜な死闘を繰り広げます。
悩める青年ウィリアムは橋から飛び降りようとしていたところ、レスリーに声をかけられます。
レスリーはなかなか踏み出せずにいたウィリアムに、もっと楽に手っ取り早く死ねる方法があるぞ…と、営業をかけたわけです。
なんやかんやで二人は契約を結び、お互いwin-winのはずでした。
この「正規の」殺しが実行されればウィリアムは楽に死ねて、レスリーはノルマを達成しクビを免れるのだから。
ですが、そう単純にはいかず…
殺しが実行されるのは1週間のうちのいつか。ウィリアムにとっては人生最後の1週間なのですが、死の淵に立った時、思いがけない幸運が舞い込んできます。
なんと、出版社からウィリアムの小説を書籍化したいと連絡があったのです。
死の契約を結んだ直後に人生が上向きになってしまったウィリアム。運が良いのか悪いのかわかりません。
ウィリアムはレスリーに契約破棄を求めるも、殺しの実行がレスリー自身の進退にかかわるため当然聞き入れてもらえず。
(※殺しの契約にはクーリング・オフは通用しないようです)
果たしてウィリアムの運命やいかに!!
これ以上はお口にチャック。ぜひ劇場でご覧下さい。
めちゃくちゃな映画なのですが、ストーリーの面白さはもちろんのこと、キャラ設定も素晴らしい。
まずウィリアム。
顔面蒼白、目の下には隈、ノーカラーシャツに襟を立てたPコート…こんなにいかにもな“死にたい男”がいますか…?(そしてイケメン)
正直、またこのパターンかと思ってしまいました。イギリス映画に出てきがちなキャラなので。
整った顔面を持っているのに病んでるやつ。ごちそうさまです。
そんなウィリアム、出版社から来た若手女性編集者のエリーと恋に落ちてしまうんです。
エリーもなかなかぶっ飛んだ女性で、自殺未遂の経験あり。二人の相性はぴったりです。
ウィリアムとエリーが惹かれ合う過程が見ていてすごく切ない。似た者同士、磁石のように吸い寄せられて愛が生まれる瞬間、美しくもあり痛々しくもあります。
まったくウィリアムのやつ、愛までも手に入れてしまうとは…ますます死ねないじゃないか!
そしてそして、老いぼれ殺し屋のレスリーは本当はとっても可愛いおじいちゃんなんです。レスリーの奥さんも可愛い。殺し屋ですが、ごく普通の家庭を持っていて、彼にとっての平穏な日常があるのです。いつまでもかっこいい夫でありたいというプライドが彼を無理させてしまっていて、この点は割と普遍的なテーマかもしれません。
長々と語りすぎました。駄文ですみません。とにかく最高の映画に出会ってしまいました。
予告編↓
次は話題のジョーカーが観たいです。