最近家に帰ると眠いですね。
春眠暁を覚えず?意味が違うしもう春は終わりました。
ご飯を食べて胃が満ちると睡魔がやってきます……無意識という深淵に白い手を幾本も伸ばし、引き込むのです……
意識と肉体を乖離させ、身体を離れた意識がその世界を遊泳する……
睡魔に気に入られたものはなかなかそこから抜け出せず、心地よい浮遊感の中いつまでも漂い続けるのです。
その深い潜水から顔を上げる時、地上へ息継ぎをする刹那、睡魔の手を逃れられれば覚醒の、現実世界へ戻ることが出来るのです。
今も睡魔は手を伸ばし誘っている、でも振り返りはしないのです。もう少し意識を保つ。気をしっかり持つ。
息継ぎをしても、睡魔は執拗にその手を離さないのです。水面に浮かび上がった顔面に手をかぶせ、再び浮遊へと引きずり戻す。
それは停止と分かっていても、残るのは焦燥と絶望と後悔だと分かっていても、甘美な水から上がれずもがくのです………
おやすみなさい