少年は残酷な弓を射る
母親が嫌いな息子と母親の物語。
現在と過去が交錯した作りで面白かったです。
何より息子、ケヴィンが麗しい。
これを見て思ったのが、私はあくまで作品の中のキャラクターが好きであって、その俳優さんが好きではないということ。ケヴィンは麗しかったけれど、それはこの作品の中のケヴィンであるからで。この世界の人間とは関係がないもの…のような。殺伐としたキャラクターの裏でほんわかした本人は…なんというか拍子抜けみたいな…
まあ作品の話になりますと、ケヴィンがやらかしてしまったあとの仰々しいお辞儀のシーンが大好きです。というかケヴィンが大好きです。時折見せる笑顔がまた素敵です…
それからいうとラストシーンは少し萎縮してしまっているけれど、それが母と息子の関係性をグッと引き出していたというか…そこだけでああ、よかったね、と思えてしまうというか。それでは済まされないことをしましたけど、しかもこれまた勝手な安堵感ですけども…。世界的にはバッドですけど親子的にはそこまで悪い終わりでは無いのかも…といういわゆるメリーバッドエンドってやつでしょうか!
1番絶望を感じたのは芝生用のスプリンクラーがシュワッって出るシーンですね。母親に追い打ちをかけるシーンでグッときました。
何の為に今までそうしてたのかな。嫌いな割に徹底出来ていない辺りが少年らしい。本当に母が嫌いならこの世(と自分)を燃やして一番キライな母を残すくらいせねば…
ダンサーインザダークは主人公の独りよがりな結末にイライラしましたが、これはそうではなかったです。
ひたすら物悲しい感じ…
静寂・美・狂気・すれ違い・親子・歪・愛・愛・愛!
こんな感じの映画でしょうか!