制作課

ボロいい湯治宿が好き

湯治宿が好きだ。
そして、いい湯治宿は大抵ボロい。
で、ボロいい湯治宿は大好物だ。

というわけで再訪したいボロいい湯治宿を2件ご紹介。
1件目は岩手県 夏油温泉の自炊部。

5月の中旬から10月くらい(その時の積雪による)までしか営業していない山の中の温泉宿だ。
部屋に入るとなんだかクラクラめまいがした…。
具合が悪くなったのかと思ったら、建物自体が斜めに傾いているせいだったらしい。
当然鍵はない。畳もデコボコしている。なかなかのボロさだ。


気を取り直してお風呂へ。
ここは内湯、露天あわせて7つ(1つは閉鎖されていた)あり、
どれも雰囲抜群だ。特に川沿いの露天風呂は最高だ。
混浴風呂は女性時間が限られているため全部入ろうと思うと結構忙しい。

食事は好きな定食を注文でき、朝夕2食付けても1泊5000円代という破格。
自炊しているおっちゃんもいた。温泉好きにはたまらない宿だ。
このノスタルジックで廃墟のような雰囲気はなかなか他では味わえない。
旅館部は団体客もいてそれなりに賑わっていたが
自炊部は築百数十年というから老朽化も激しく、閉鎖されている建物もあり、
空室も目立ち存続が心配だ。来年も閉鎖されていないといいなと思う。

もう1件は岩手県の大沢温泉の湯治屋。

ここは旅館と湯治屋のほかに、茅葺き屋根の菊水館という建物があり、風情がある。
以前この菊水館に宿泊した事があったが、今はギャラリーとなっていて宿泊はできない。
今回の湯治屋の部屋は広さも眺めも良く、清潔感も申し分なかった。

ただ、この宿も人が通るたびに床が揺れ、ギシギシと音がした。
もちろん部屋に鍵はない。
ドアどころか襖だ。声も筒抜けである。

部屋にテレビや冷蔵庫のほか、自販機のついたガスコンロが置いてある。
10円で数分ガスが使え、お湯を沸かしたり、簡単な調理もできる。
このガスの自販機は他の湯治宿でも度々おめにかかる。もはやお馴染みの存在だ。

お風呂の写真は撮れなかったが
露天風呂も内風呂もそれぞれ趣があって素晴らしい。
食事は炊事場があるので自炊もできるが、
館内にメニューも豊富で価格も手頃なお食事処があり、
2食付けても1泊5000円代とやはりお手頃だった。

売店も充実していて自炊も楽しそうだ。
ここに1週間ほどのんびりできたらさぞかし幸せだろう。
元気なうちに、是非本格的な湯治をしてみたい思う。

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